シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/05/31

フロント足回り Front axle


フロントの足回りの図。
ハイドロ全般として、車高が変えられたりスプリング圧縮の行程が無い分メンテナンスはし易い部類と思われます。
ましてダブル(?)ウィッシュボーン時代のシトロエンは非常に容易。おまけにインボードディスクブレーキなのでかなりスッキリです。
ジョイント点数が増える、ブレーキのメンテナンスは逆に弱点となりましたが。

私のGSも当初深いロールの度に"ガッキーーン"という異音がありロアアームのブッシュ(画像青)を交換しております。
以前のオーナーが左右ともに前後の内一方を変えていたのですが、もう一方が寿命でした。
再利用しない前提でプレスでいっぺんに抜いてしまえれば楽ですが、インラインで2つ並んでいるので新しい方にダメージを与えず古いモノを抜くのが大変。
試行錯誤で交換、アームも元の位置に収めることができ異音解決しています。

あるいは段差の度にコツコツという音がしたらスタビライザーのリンク(緑)、ロワー、アッパーのボールジョイント(赤)が疑わしい。アッパーのベアリング(ピンク)は負荷があまり掛からないのかトラブルが少ないようです。
ちなみに紫のシリンダーエンドボールは要ルブリケーションポイントとなります。

さて、現在は別の異音の特定に向けてフロントアクスルをバラしております。

2014/05/28

スパークプラグ Spark plug


さて試行錯誤のキャブスロー系調整ですが、プラグはご覧の通り真っ黒。
現在はミクスチャースクリューは全閉より0.75回転戻しまで絞って様子見の状況です。
体感でのエンジンの力強さとプラグの焼け方が一致しないのがもどかしい。
シリンダーごとに順序失火させてみます。
結構バラつきはあって逆説的に2番シリンダーがやたら元気でその他はそれなり。

エンジンには優れた、圧縮、混合気、点火、の3点が必要です。
コンプレッションゲージも必要かもしれません。
スロー系なので走り出せば問題ないどころか、相変わらずトータルでは好調を維持しているエンジンなのですが詰め出すと終わりがないキャブはもう一つの楽しめる泥沼です。

2014/05/25

点火系の見直し Rerouting of the ignition system


キャブの調整前にやらなければならないことがあります。
デスビのキャップ、ローター、ハイテンションコード、プラグをセットで交換。
と言っても、だいぶ前に既に交換していたのですけどね。

交換前のコードは硬化も進み、キャップは中でリークしていたか、あちこちにスパークして潰瘍のような痕跡が。
値段も高価ではありませんし、シトロエンに関わらず古いクルマを手に入れたなら真っ先に新しくするパーツではないかと思います。
簡単な作業ですが、アイドルも見違えるように安定します。
こうして点火が確実ならば後はキャブに専念可能です。

2014/05/24

ソレノイド交換 Replace of the solonoid


注文して8日、ソレノイドバルブが届いた。
嬉しいことに新品でした。送料4GBP合わせて40GBP、7000円弱。

ゴム製のカバーを付け替え、50番のジェットが付いていたので元の45番に交換します。
12Vをかけるとインナーニードルが上がりジェットが開くことを確認しました。
正しい抵抗値は36Ωぐらいのようです。

早速キャブに取り付けたところランオンは解決。
後はスロー系を再調整します。
これまではかなりリッチな混合気を送っていたのでプラグは当然真っ黒。
とりあえずミクスチャースクリューを全閉から2.5回転戻したところを基準にアイドル調整ねじでアイドル回転数を合わせ、加速の際の息つきやプラグの状態と相談しながら繰り返しセッティングを出す。
もう少し色々な走行パターンを試して詰めていきましょう。

2014/05/18

ホイールの塗装 Repainting of the wheel


車検時はホイールキャップ外しておく必要があるのですが、その際ふとホイールのサビ、傷が気になったためリペイントしました。

いつものようにサビを落とし、念入りに脱脂。
マスキングの後、市販のホイールスプレーのシルバーを吹きます。
どうせ隠れてしまうので、できるだけオリジナルを損なわないことを条件にキャップから露出することになる"ふち"部分のみを薄く塗ります。

改めてキャップが無い、素の感じの方がビジュアル的に優れているような気がしてきました。
外すための17mmのレンチも積んでおく必要ないし。

2014/05/17

アイドルストップソレノイド Fuel cutoff solenoid


COの減量に苦労している理由はエアポンプが働いていないことに加え、アイドルストップソレノイドの不良であることが明らかです。
交換してしまえば良いのですが現在このパーツの入手が困難。

キャブWEBER30DGSではこれがアイドルジェットを兼ねスロー系の第一バルブ(第二はミクスチャースクリュー)になっていますが、現在不良であり燃料のカットオフを避けるため締めきれず、リッチな状態で固定せざるを得ません。
ミクスチャースクリューだけでは排ガスまではコントロールできない訳です。
断線なら治せるかもと期待して外してみましたが、それなりの抵抗値はでてますので物理的に壊れているようでケースが潰れている。

アイドル維持や走行そのものに支障はないのですが、イグニッションを切っても直ぐにエンジン停止が出来ないランオンという新たな問題も気温が上がってきて現れてきました。
燃料が濃い分カーボン蓄積も進むでしょうし、上がってきたガソリン価格の影響でレギュラーガソリンを入れた影響もあるでしょう。
もともと(排ガス対策で低圧縮比のため)レギュラー指定ですがやっぱり無理があるようです。

ソレノイドを求めてネット上を探したところイギリスの解体屋で在庫がありました。
詳しいことはわからないようで画像照会だけで購入してしまい到着待ちです。
ジェットの移植が必要かもしれませんし合わないかもしれません。
部品番号で照会するとCXのキャブも同じパーツ、同じジェットの番手のようで、ダメならこちらのルートから探してみます。

2014/05/10

車検 Car inspection


先日、有休もらっていよいよ車検を通してきました。
(検査ラインは撮影禁止)

まずはライン外で車台番号照合とライト、ウインカー、ワイパー等の保安部品の動作を検査官に示す。
続いてラインに入ると、サイドスリップ、スピードメーター、ブレーキ、光軸が順にテストされます。
ここまでは準備通りOK。

さて問題の排ガス。
COが予備検査での調整にも係わらず再びアウト。
基準1.5倍の6.5%ぐらい出ています。
触媒温度を上げる、溜まった排ガスを抜く目的で空吹かしを必要以上にやってしまった結果、油温上昇、アイドル回転数が高くなってしまったのも原因でしょう。

失意のまま最後の下回り検査をクリアし陸運局内で再度調整に入ります。
キャブのミクスチャースクリューはほぼ全閉に、アイドルスピード調整スクリューでストールしないギリギリを狙う。
2度目で基準値以下のCO1.5%程度となり合格することが出来ました。

ひと月ぐらい前より車検に向けて細かいメンテナンスを行ってきましたが無事に継続取得しました。
今回の車検に掛かった費用は法定の54740円の他、予備検査費用、マフラーハンガー、ワイパー、発煙筒、シャーシブラック等でトータル63000円ほど。

ワイパー交換 Replacing the wiper blade


ワイパーのクリップが折れていたので交換です。
現在はセンターロック式クリップそのものの販売は無いようですが、300円程度のUクリップ変換アダプターが自動車用品店で手に入ります。

従ってまだまだ使えたブレード毎Uクリップ用に交換となりました。
とは言ってもこちらも汎用品で980円。
ひと昔前は専用の輸入車用のブレードが高価だったので多少の工作を加えながらゴムのみ国産化など試行錯誤したのですが呆気なく交換終了です。

2014/05/09

スピードメーターの誤差 Calculation error

 
車検ではメーター40km/hで合図をおくらなければならない。
これで車検に通らないことはまずありませんが、念のためGW中の遠出の際に高速道路の距離表示に合わせタイムを測り誤差を把握しておきました。

メーター読みスピード100km/hで1km走行するとジャストなら36秒のはず。
危ないので家内に測定してもらったところ38秒かかりました。
従って私のGSは5%ほど速度表示が甘いことになります。
車検には十分合格するはずですがジャストを狙っておよそ42km/hで合図を送ってやることにします。

2014/05/06

アンダーコート Paint It, Black


リフトした際に各部に浮いたサビを可能な限り落とし、サブフレームや色の落ちかけたサイドシルをシャーシブラックで塗装しました。
遮熱版やサイレンサーには耐熱ブラックペイントを施します。

オリジナルの茶色い塗装が残っているアーム類はできるだけそのままにしました。

2014/05/04

下回り点検 Floor under


リフトに上げて下回りの点検をしました。
目視できるように遮熱板やガードプレートを外す。
リヤに通じるLHMの配管が見えます。いわば動脈、静脈の他、キャリパー、サスシリンダーのLHM滲み無し。

マフラーは流石に錆びが出てますが、現時点では排気漏れはありません。

ミッションオイルがリンゲージのギャザーから若干漏れる持病以外、ドライブトレーンもシャフトブーツはじめ全体では特に問題は無いようです。
各部増し締めして終了。

2014/05/03

灯火類のチェック Lamp check


車検に向けてランプをチェックしました。
後期のGSのリアユニットは上からブレーキ、バック、ターン、テールですが右のテールランプがついていません。

テスターでチェックするとバルブは問題ありません。
どうしても水が入ってしまうようで接点不良でした。
磨いてコンタクトスプレーで回復です。

最近のLEDのヘッドライト、テールランプユニットは万が一のLED不良の際はどうなるんでしょうか。
ディーラーでユニット毎交換するといくら掛かるのか。