シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2015/04/26

シートゴムSeat rubber ring


フロントシートの座面下。
オリジナル状態だと思いますが、名付けて平行掛けにゴムが渡してあります。
良いのか悪いのか、シートのクッションもお好みにチューニングできるのが特徴で、固めの座面が好みなら、2本掛け、たすき掛け、クロス掛け(これも勝手に名付け)という手もあり。

事実、私は固めが好みなので運転席側はゴムましましにしてみましたよ。(画像はなし)
主に家内や子供が乗るパッセンジャーとリアのシートは切れたゴムの交換程度にとどめ沈み込むシートを再現したつもり。
2cvから通じるハンモック構造で造りは簡素なんですが、これも作業員がひとつひとつ掛けて製造したと思うと結果的にコストは膨大と思います。

2015/04/25

リアシート トランクスルー


リペアしたリアシートです。
1カ所だけオリジナルと変えて、長尺物が積めるようにアームレストの裏側からトランクスルーできるように細工。
大したことではなくて、本来アームレスト裏側の生地はクリップで固定されてしまっているものを、せっかく生地をストリップしたのでマジックテープで脱着できるように。
シートバックにはトランクルームとの仕切りのMDFのボードがあるのでカッターでその部分を開けられるようにしただけです。

2015/04/20

リアシートのリペア


リアシートはリペア中の画像がありました。
こちらの手順も基本的にフロントと同じなのですが、シートを降ろす作業がクリアランスが少ないので大変。
もっと大変なのは載せる時で、一人だとくじけそうになります。というかくじける。正に特大の知恵の輪。
シート生地を脱がす時も、とんでもない数のクリップで固定されていることに唖然。
素材や構造は簡素ですが、人件費を含んだ製造コストは相当なものになるんじゃないでしょうか。

後は赤い粉のクリーニングと丸洗い、凹凸部にクッション材を詰めていくのは一緒なのですが、フロントシートで苦労したと思ったら、その3倍は苦労します。
シートゴムもこんな感じで左右に渡してあるので、交換する際も相当なテンションでゴムを引っ張って架けることになり手が筋肉痛になること間違いなし。

2015/04/18

フロントシートのリペア


フロントシートのリペアについて。
多分に漏れずヘタっていたシートをずいぶん前に修理した。
まずはシートを車から降ろします。
ヘッドレストを外したら、背面ポケットのサイド裏側にあるねじを外し、多くのクリップと格闘しながらシート生地を脱がしていく。
糊でシート形成のウレタンにくっついているところもありますが気にせず。
生地の座面と背面は別のようですが実は一体型。間から背中側の座面下通して折り込み麻糸で結んであります。

脱がすと大量の謎の赤い粉がびっしり落ちるのでクリーニング。
生地は裏側に布が当ててあるので、本来はクッション材がその間にサンドされていたと思いますが、それが崩れたのが赤い粉であり、凹凸がなくペッタンコになったシートの原因。
生地の丸洗いののち、座面、背面の凹凸の再現のため、同じサイズに切ったスポンジを表生地と裏当ての布の間に根気よく詰めていきます。

簡単に書いてますが、生地の脱着から赤い粉のクリーニングとスポンジを詰める作業が相当大変で一脚10時間から15時間の作業時間がかかった記憶があります。
色褪せと思っていた生地も起毛が潰れてそう見えたもので丸洗いによって復活。
シートが擦り切れかかっている状態でなければ、丸洗いだけでもやってみる価値はあります。
(赤い粉を念入りに落としてから洗濯機に入れないと家庭問題になるので注意)

2015/04/11

バッテリー上がり flat battery


再び不注意でバッテリーを上げてしまいました。
原因は以前と同じくラジオをオンのまま1週間放置。
スターター補助機能付きの充電器で始動はできるし、マニュアルクランキングの練習もしてはあるのですが、放電を繰り返した事でバッテリーには極めて悪い状況です。

バッテリーに付いてる簡易比重計も結構ギリギリの状態のままでしばらく利用。
オルタネーターの負荷も高まるので交換した方が良いのですが、またやってしまいそう。
やっぱりラジオを常時電源でなく、イグニッション電源に引きなおそうと思います。

2015/04/05

GSの雑誌広告 Advertisement Part2


GSの国内広告第2弾。72年の販売開始時のもの。
カナ表記はシトローエンになってます。
ナンバープレートの形状からおそらくは国内で撮影されたもので、今や絶滅種に近い郊外のドライブイン的な建造物をバックに撮影されているのが面白い。
輸入1号車をそのまま連れ出して広告に間に合わせた感がリアルです。

2015/04/04

浮上

【音量注意!!】PCからは動画が見れます。
ブレーキのエア抜きやハイトコレクターなどいくつかハイドロ系をメンテナンスした結果、乗り心地が大幅に変化した。(ように思います)
油圧の経路を追うと、理論上ブレーキは乗り心地には直接的な関係は無いようですが、わずかな挙動変化がそう思わせるのかも。
ハイトコレクターの渋さが改善されたのは、そのまま乗り心地に直結。
GSというのは「ブワァンブワァン」というよりは「ブワンゥン」という結構ダンピングが利いた(というか車体が軽いからか)乗り心地だと思っていたが、良いのか悪いのかおつりがくるぐらい揺れるように変化しました。

といってもハイドロニューマティックの難しさは、この説明がプラセボ効果というか曖昧なところがあって一般的には数値化できないので思い過ごしの場合があります。
逆にパーツを交換してもオーナー側の期待とズレが生じメカニックが困惑することも少なからずありそうで商売としても難しい。

ハイトコレクターのメンテナンスで確実に言えるのは動画にあるように、1週間放置で油圧が抜けた状態から(フルチョークで始動後1,100rpmぐらいのハーフチョークに調整)35秒でリアが上がり始めるように。(メンテ前は60秒)昔からよく言われているように車高の上がり下がりはハイドロの健康のバロメーターになるようです。